芸能人炎上問題

芸能人のスキャンダルとか炎上とかは、遠い世界の話で特に関心がないけれど、これはと思うものが最近話題になった。某有名野球選手がトンデモ医療本を紹介して、医療関係者に袋叩きにされたアレだ。要点だけ述べると、その選手は高タンパクが体にすごくいいというトンデモ本をトンデモと知らずにTwitterでフォロワーに勧め、医療関係者がそれはトンデモ本だからツイ消ししろというようなリプをし、選手も反論、ついには多くの医療者が選手を批判する騒ぎになった。

これに関しては科学的にも医療者の主張は正しいと思う。有名でそれだけ影響力のある人がトンデモ本を紹介すると、どれだけの人間が間に受けるだろうか。それは凄まじい数ではなかろうか。選手の落ち度としてはトンデモ本を見抜けなかったことと、自身の影響力を考慮せずに発信したことであり、実際それを医療者に厳しく指摘された。そこで選手が該当ツイートを取り下げればよかったものの、医療者の強い口調(僕にはそう思えた)に触発されたのもあると思うがほとんど口論のようになってしまった。

医療者の主張は正しいが、当該ツイートを取り下げさせるのに袋叩きにするのは個人的にまずいと思うのだ。Twitterをやっててわかったことだが、相手の主張が間違っていて、それを改めさせるのに正論は有効で無い場合が多い。今回は少なくとも選手は間違ってはいるが善意で当の本を紹介したはずであり、そこを真っ向から否定されて気分を害したのであろう。本当に当該ツイートを削除してもらう目的を達成したいのなら、批判して対立を煽るよりも、当人の善意を認めつつ懐柔させるような方法が有効だと思うのだ。人は誰しも自分の専門において誰かが間違ったことを言うととにかく批判したくなり得ようが、専門家ではない普通の人と接するときはある種の余裕を持って対峙したいものだと自戒とともに思った。