雨の朝
お〜いお茶には中々馬鹿にできないところがある。茶の味は分からぬが、ペットボトルの側面に記された句には面白いものがある。
例えば、
昼寝して 鳥獣戯画の 中にをり
などは、その趣向の面白きためにふと思い出すようなものである。殊に「中にをり」といふは、絵ではなく絵の中に存在するという動作に焦点を当てたもので、作者の主人公性が感ぜられて面白い。またこの句の尋常ならざるところはやはり鳥獣戯画といふところで、作者がその姿のまま鳥獣戯画の中に居ったのか、それとも墨画となりて中に入ったのか。研究を要する。
こういう優れた句を目にすると自分も句を読んでみようという気になる。曰く、一つの句には一つの想いのみをこめよということである。雨でも晴れでも研究室のコアタイムは変わらない。
寝坊して 大学遠き 冬の雨