NO. NEW YORK考
表題の曲はBOØWYの代表曲の一つである。個人的にBOØWYのファンであるから是非とも聞いてもらいたいのであるが、一説によるとこの曲は男娼をテーマにしているという。この点について少し考えてみたい。
歌詞の内容から娼婦を題材にしていることはすぐにわかる。問題はその人物がゲイの娼婦(男娼)であるかどうか、という点である。男娼を題材としている根拠として「NO. NEW YORK」という不可解な曲名および
あいつを愛したら 星になるだけさ
という歌詞があげられるという。この曲がリリースされた1980年代はニューヨークでHIVが流行し、同性愛者に差別の目が向けられたことや、当時は良い薬がなくAIDSを発症して死亡する(=星になる?)人が多かったからだという。BOØWYの楽曲にはかなり尖った歌詞もあるので、HIVに感染した男娼を題材にすることはありえなくはない。だが歌詞の他のところを見てみると、
女神のようなその顔で
She has a beuty face
メイクをきめて ドレスをまとい
などがあるので、男娼と解するのは無理があるように思う。「あいつを愛したら 星になるだけさ」というのも、別に死亡するわけではなく、例えば娼婦に財産をつぎ込んで破産してしまうといったような解釈も成り立つ。NEW YORKというのも、単に娼婦のいる大都市のうちで楽曲のイメージに合うものだったのかもしれない。少なくとも自分はこの曲に対して先に紹介したような穿った解釈はできない。